青春讃歌 1〜ニュードーン

5月になり、気温が上昇してきたところで
新しい「生垣花壇」に夕顔の種をまいた
庭つくりをはじめた年に植えた夕顔の花があまりにも美しかったものだから
いつかまた・・・と思いつつもそのままになっていたのは”場所”の問題が大きい
今回そういう環境も整ったことだし、この夏はまたあの優雅な白い花を見たいものだ



さて、先月、娘が高校3年生になったところで
わたしも今年で子どもの学校関係のつながりが終りになるなあ〜とほっとしていたのだが
ある日突然「PTAのクラス役員をお願いしたいんですが」と担任の先生から電話がかかってきた
え゛〜〜〜〜〜、と心の中で叫びつつも
電話の声は冷静に「あらら、当たってしまいましたかぁ〜〜」とにこやかに対応^^;
最後の最後でこういうことになろうとは、、、はぁぁ(ため息)

思い起こせば子ども達が小学校時代には
PTAだけじゃなくて地域の子ども会の役員もあって大変だった
その中で一番責任の重い役も務めたし
まああれを思えば今回の役員は多分そんなに大変じゃないだろう(と自分に言い聞かせている)

先週は、普通なら行かないPTA総会にも出席
例年、年に一度、三者面談の時だけ出かける高校に
今年は何度か足を運ぶことになりそうかな
いや、それはそれで楽しいかもしれない
何しろ娘の話を聞いていると学校がとても楽しそうなので
実際にどんな様子なのかちょっと見てみたいとも思っていたところだ

今回一番楽しみにしていたのは、ある絵を見ることだった
それは昨年、娘の友人が広島県高等学校絵画コンクールで特選に選ばれた作品で
絵のモデルはなんと娘だったのだ
美術大学への進学を目指している彼女とは、共に芸術コース仲間
彼女に限らず、音楽の人も美術の人もみんな仲がいいらしい

娘の高校は普通の公立高校だが、授業の自由選択制を採用しており
芸術方面に進みたいといった特殊な進路を希望している生徒にとっては実に都合が良い
文部科学省で決められた最低限の高校履修単位さえ取得すれば
あとは自分に必要な(好きな)授業だけ自由に選択できるわけで
3年生になった娘は、毎日音楽の授業を中心に
「フードデザイン」「被服制作」「パソコン」といった
なにやら楽しげな授業も選んでいる

「フードデザイン」とは要するに調理実習で
近いうちに、お菓子のコンクールにも出品する準備を始めるらしい
「被服制作」では浴衣を縫っている
昔ながらの手法をきちんと時間をかけて習うので、完成まではしばらくかかるようだが
この授業を選択しているのは3名しかいないため
先生の指導も細かく受けられるし、完成も早いかもしれない
この「被服制作」においてはドレスを縫う年もあると聞いたけれど
今回は違ったのはちょっと残念だった・・・
でも、今年のうちに先生から製図の基本を習い
体にぴったりあったドレスの型紙をきちんとつくりたいと考えている
あと、「パソコン」の授業では
ワープロ検定やパソコン検定を受験する準備をする
パソコンの早打ちを得意とする娘には、非常に楽しい時間だ

一方、授業以外の時間では
早くも一ヵ月後にせまった合唱祭の準備が忙しくなっている
合唱祭においては、もちろん自分の個人発表『カルメン〜ハバネラ』も心配だが
クラスの合唱委員にもなっており
しかも昨年わずかの差で2位に甘んじたリベンジにクラスが燃えている関係上
いろいろプレッシャーも多い

しかしまあ、わたしから見れば毎日なんとも楽しそうで
「いいなあ〜、青春だねえ〜〜♪」とうらやましそうに言うと
娘の方はそれでもかなり大変なのだろう
「青春は内臓が痛いよぉ、、、」と苦笑しつつ、胃薬を飲んで出かけていった^^;

いやホント、勉強しかなかったわたしの高校3年時代を思い出すと
こんな幸せな高校3年生があるのかと本気でうらやましい
よく、学生時代に戻りたいという人がいるが
わたしは今までそんな時代にはもう戻りたくないと思っていたけれど
違う道なら戻ってもいいかも〜?!とも思えてくる

3年前の今ごろは
まだこの高校へ行くことも、ましてや音楽の道へ進むことも全く考えていなかった
何気なく夏休み明けのオープンスクールに参加し
そこで「この学校面白そう!」と直感したその思いに間違いはなかったようだ
「もし別の高校へ行っていたら全然違う高校生活になっていたよね」
そう語る娘は、今の幸せを満喫している

PTA総会の前に、娘が描かれている絵をしばらく眺め
(写真を撮ったが、人の作品なのでここに載せるのはやめておこう)
それから、総会終了後には教室をのぞいてみた
廊下を歩き教室が近づくと、娘の歌声が聞える
教室には数名の生徒がいて
小さなキーボードを囲んで歌の練習をしていたのだ
廊下の空いている窓からその様子を眺めていると
別の生徒がわたしに気づいて笑いかけてきたのでわたしも笑った
そのうちふと娘がわたしの存在に気づいたところで
わたしが母親であることに他の生徒達がびっくりした様子で
「えぇ〜?先生かと思った〜〜!」と言う
この学校にはたくさんの種類の授業が用意されているので
その分、普通の高校よりも先生の数が多い
だから、知らないおじさんやおばさんを見ると生徒はたいてい先生だと思うらしい
「あはは、ごめんね〜」と驚かせたことをわびながら、手を振ってその場を去った
それにしても、ああいう雰囲気の中でいつも過ごしているのかと思うと
なんだかこちらまでほのぼのとして楽しくなる
これは役員が当たってちょっと良かったかも・・・なんて思ったり^^

                                      (つづく)

*****

壁面を飾るピンクのバラ”ニュードーン”が今年も咲き始めた
直訳すれば”新しい夜明け”という名を持つこのバラが咲くと
新しい時がスタートするような、何かここから新たに始まるような
そんな不思議な気分になる



社会へ出る前の時代を青春時代というならば
それはちょうど夜明けの時代
これから何かが始まるという希望と期待と不安の入り混じる時代
まさに青春真っ只中の子ども達の様子を見守ることは
わたしにとってもほんの限られた一時期の楽しみになる

(2009.5.13.記)



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