青春讃歌 4〜18歳のカルメン


娘にとって高校生活最大のイベントである合唱祭が、昨日無事に終了
クラス合唱では悲願の優勝を獲得し
音楽選択者の発表においては
大きな歓声に迎えられ、『カルメン〜ハバネラ』を熱唱
夢のようなひとときを過ごすことができた

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課題であった”表情豊かな歌”に今回は果敢にチャレンジ
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1000人を越える観衆が見守る大ホールにクライマックスの歌声が響く
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おじぎも上手く決めて、颯爽と立ち去るところでドレスのすそを踏むアクシデントが?!
でも、間一髪で体勢を保ちそのまま走りこむように楽屋へ去る^^;
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近年、高等学校教育に合唱を取り入れる学校が増えてきている
ひとつの曲をクラス全員がまとまってきれいなハーモニーを作り出す過程で
協調性を養おうというのが目的だが
これが結構良い成果をあげているらしい
特に娘の高校では市の本格的な大ホールを使用するのが恒例だ
ここ『さくらぴあ大ホール』は全1095席でピアノもスタインウェイ
こんな素晴らしい環境で演奏できるってなんて幸せな子ども達なんだろう〜
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 (↑この写真はサイトから借りました)

クラス合唱においては
昨年の成績が1点差で2位だったこともあり(2年から3年はクラスがえがないのでメンバーは同じ)
今年は絶対1位をとるのだとはじめからみんなやる気満々だった
必勝のコツのひとつは”難易度の高い曲への挑戦”ということで
2007年のNHK高校生合唱コンクール課題曲『言葉にすれば』を選んだが
当然練習は難航し、合唱委員でありソプラノパートのソロを担当する娘も毎日随分悩んでいた
クラスも優勝したい、でも自分の舞台もある
時間は限られ、気持ちはあせる
最後の一週間は、それまでやってきた練習が実を結びつつある実感への安堵と共に
反面「ダメなんじゃないか・・・」と、急に悲観的な感覚にも襲われ
最後はこのダメだダメだの”悲壮感との戦い”みたいなものになった
更にはこの思いがストレスになって持病の耳管閉塞症が悪化
自分の声が聞こえにくくなったことで、声が出ていない!と錯覚していよいよパニックに陥る
それは娘だけではなく
クラスのメンバーも気負いから気持ちがナーバスになり、雰囲気がギクシャクしてきた
そんな時、娘はみんなに言ったという
「みんな上手いんだからもっとうぬぼれてもいいんじゃないの?!」
それはまさに自信をなくしている自分への励ましの言葉でもあった

ここまで一生懸命やってきたのだから
あとはあの立派なホールで、高校生活の思い出にみんなで精一杯楽しんで歌おう
コンクール形式であるからには当然勝ち負けにはこだわりたいけれど
大切なのは勝負だけではないのだと、それぞれが身をもって実感することにこそ
高校教育の一環として合唱祭が行われることの意味はあるのだろうと思う
かくして、彼らの合唱は本当に素晴らしいものになった

クラス合唱が上手くいった喜びに浸っている間もなく
次に娘は自分の舞台の準備に行く
ドレスを着て、他の音楽選択メンバーと楽屋で「ダメだダメだ〜〜」とうろうろしていたら
早く舞台に出なさいっ!!と先生から押し出された

ドレスを着た娘達が登場すると
会場からはどよめきと大きな歓声が上がった
それはもう一番後ろでビデオを撮影しているわたしも驚くくらいの歓声で
娘は客席に向かって恥ずかしそうに笑ってみせた
歌い始めた娘は見たところは非常に落ち着いていて表情もにこやかだ
これまで舞台ではどうしても無表情になりがちだったのが
ここで一気に変ったなという感じ
きっと本人は頭の中まっ白で夢中で歌っているのだろうと思いつつ
ああ最後まで声が出ますように!!とわたしも心の中で祈り続ける
要所要所でよく声が伸びており
特に最後のタメを効かせたクライマックスはよかった
細かいところをあれこれ言えばきりがないが
マイクなしで大ホールにあれだけ対応できたことは素晴らしいと思うし
高校生の娘が今できる精一杯の舞台であったと思う

合唱祭においての写真撮影は一般保護者は一番後ろからしかできないのだが
今年はたまたま役員に当たっており、しかも今回の合唱祭で写真を撮る係りになったため
夫は朝からカメラを抱えて会場入りし
PTAの腕章をつけて堂々と前で写真を撮ることができた
娘のショットもたくさん撮れたのはこのおかげだ
それに、通常ほとんどの行事は土日だから夫は行くことができないけれど
この合唱祭は普通の日にあるため
わたしたちにとっては好都合なのだった

はじめて学校行事でこのような役目を担った夫は
一生懸命合唱する高校生達を間近に見て
「今時の高校生も捨てたもんじゃないな。まさに青春って感じで今日は楽しかったよ」
と嬉しそうに話す

一方、娘のドレスを当日娘が出かける30分前まで手直ししていたわたしにとっては
ドレスに不具合があっては困るが・・との心配が最後まであった
というのも、以前6センチも身幅をつめたのに、やはりまだ上半身にだぶつきがあるということで
前夜になって更に肩をつまむ作業を行ったのだが
出来上がってみると、確かに体にはぴったりだけど手が揚げられないのだ
これでは自由な動きが妨げられてしまうため結局元に戻す
そして、ぎりぎりまで試行錯誤して、なんとか動きやすく形を整えた

高校生にとって
普段制服姿を見慣れている仲間がいきなりドレスで登場するのはかなりインパクトがある
それに女の子にとってはドレスは憧れだ
「あ〜あんな可愛いドレスわたしも着たい〜〜♪」
そんな声を耳にはさんで、わたしもちょっと嬉しくなった
今回は娘もドレスでの立ち振る舞いがだいぶ身についてきた感じで
やはり早くからドレスを作って着慣れておいてよかったと思う
最後にスソを踏んづけたのはご愛嬌〜^^

こうして、娘にとっての3年間の高校生活で最大のイベントは
夫とわたしにとっても
共に青春の輝きを共感する嬉しいひと時となった


(2009.6.17.記)



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