音楽語り 1〜前奏曲 Prelude


わたしのプロフィールの中で
趣味の欄には「音楽を聴く」と書いてあるが
以前から、わたしと音楽の関わりについては
順を追って記してみたいと思っていた

物心ついた時から歌うことが好きで
何か身近な存在だった音楽
その原点は、多分、母の歌う日本の古い唱歌だ
わたしの幼い頃の記憶の中では
母はよく家事をしながら歌を歌っていた
今は本人ちっとも声が出なくなったと言うが
わたしは母の歌は上手いと思っていて
一方、やはり歌うのが好きだった父の歌は
酔って歌うことが多かったせいか
ちょっと音程が外れていたと記憶している
父は趣味で尺八を吹いていて
わたしも小学生の頃、見よう見まねでそれを吹いたこともあったけれど
音だけは鳴ったが、あまり好きな音ではなかったので
習うまでには至らず終わった

こうして、幼心に、音楽って楽しい♪と思っていたわたしだが
楽器を習うのは好きではなかった
保育園時代には、YAMAHAの音楽教室に通って友達と一緒にオルガンを習っていたけど
それはあまり楽しいとは思えず
発表会に至っては、みんなで合奏するために苦手の木琴に回されたのが最悪で
もう逃げ出したくて仕方がなかった
だから、その過程が終了し、ピアノかエレクトーンを選択する段階になった時
ほとんどの子は続けたのに、わたしはあっさりやめたのだ
それでも母は何も言わずにやめさせてくれたのが嬉しかった

楽器を習うことは、自由に音楽を楽しむこととは違っていて
今のような多様化したレッスン形態がある時代でもなく
ただ退屈な練習を強要されるだけのレッスンはわたしには向いていない
音楽は好きだし、楽器も弾きたかったが
習うのはごめんだとばかりに自由になってから2年ばかり経ったころだろうか
近所のお宅にピアノの先生が個人レッスンに訪れているというので
うちにも来てもらうことになり、ピアノのレッスンが開始された
でもやっぱりダメなものはダメで、2年ほどでまた挫折
うーん、どうしてこんなに練習したくないんだろう
わたしってそんなに怠け者??と、自分でも自分がイヤになったが
やめるとまたとっても気が楽になった

かくして、楽器はすっかりあきらめたわたしだが、歌うことは相変わらず好きで
小学校でも歌は上手いといつも先生に誉められた
(おめでたいわたしはすっかりそれを信じて有頂天になっていたわけだが・・)
あの時代、特に好きだった歌は、NHKの「みんなのうた」に出てくる歌
一番好きだった歌は?と聞かれたら、今でも『小さな木の実』と答えるだろう

『小さな木の実』はこちらで視聴

今回、この曲について調べていてはじめて知ったのは
原曲はあの『カルメン』で有名なビゼーの曲だということだ
ビゼーといえば、『アルルの女』などもとても好きなのだが
わたしはこういう”叙情的で哀愁漂う”メロディに弱い

また、「みんなのうた」で、もう一曲思い出深いのが『トランペット吹きながら』という合唱曲だ
これは1972年の「NHK全国合唱コンクール小学校の部」の課題曲になっており
当時5年生だったわたしの学年もこれでコンクールに参加したことを覚えている
この曲は、『小さな木の実』とはまた全然違ったタイプで
曲調もリズムも変っていて
その”今まで聞いたことのないような意外性”が楽しくてわくわくしたものだ

『トランペット吹きながら』はこちらで試聴

更に、小学校の音楽の時間でもう一曲思い出に残っているのは『タンホイザー行進曲』
これは教科書に載っていて、授業でみんなと一緒に歌った
わたしにとってこの時がワーグナーとの出会いであり
以後ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』や『ローエングリン』など
”ドラマチックで大げさ”な曲にすっかり心奪われていくのだった

『タンホイザー行進曲』はこちらで試聴

また、小学5年生の時には
あのウィーンフィルハーモニー管弦楽団が広島にやってきて
わたしは両親に連れられてベートーベンの『英雄』を生で聴く機会にも恵まれた
確か同じ年には、ロシア(当時はソ連)のバレエ団の公演も見に行き
音楽と踊りを堪能する幸せな時を過ごすことができたのだった

その頃、相変わらずピアノはろくに弾けないし、楽典の勉強はさっぱりだったが
歌だけは好きで、音楽に近づきたいという意思は強くなっていく
だから、ちょうど中学受験をする頃になった時には
当時から合唱コンクールでも全国大会に出るほどの実績があるあの学校に行こうと決めたのだ
その学校で毎年一般客も招いて行われる合唱祭に連れて行ってもらった時
特に高校の合唱部の歌は素晴らしかった
よし、入学したらわたしも合唱部に入ろう!と決意する

その後、なんとか中学に合格し、入学を待つ3月になった時
わたしは新しい音楽に触れることになる・・



(2009.2.1.記)


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