青春讃歌 23〜美への憧れその4


ある年頃から、漠然と美しさに憧れ
ファッションや化粧品に関心を持つようになると
今度は「やせたい願望」がでてきてダイエットに熱心になる
というのがお決まりのパターンだが
娘の場合
スタイルは気になってもそのための努力自体が面倒なことと
わたしが昔から「自己流ダイエットはダメ」と何度も言っていることから
これまで特にダイエットらしいことをやった経験はない

まあ、強いてあげるならば
小学校6年生あたりから腕立て伏せと腹筋トレーニングを自主的にやっていたが
コレの目的は男子と対等に張り合うための手段だったし(ケンカも強かった〜^^;)
おかげでこの頃から異常に肩幅は広くなり
気づけば44センチと、すっかり男並みになってしまっていた@@;
中学校の体育では柔道の授業に熱心で受身1級を取得
二の腕は筋肉で盛り上がり、腹筋は6つに割れて
およそスレンダーな今時の女の子とは程遠い状況に、、、
中学校の間、制服以外スカートをはこうとしなかった娘だが
考えてみれば、着たくてもそういう体系の娘に合う服がなかったわけで
いつも男物のTシャツやトレーナーを着るのが常となっていったのだった

そんな娘も、高校生になればおしゃれもしたくなる
でも体形が・・・と気にしているうちに
いつの間にか以前よりも自然とやせてきたことに気づいた
そういえば、いつ頃からか筋力トレーニングもやめたし
女の子が一番太る中学時代も過ぎて
それまでの筋肉や脂肪の付き方のバランスが変わってきたのだろう

そして、卒業を目前に控えた現在肩幅は39センチと
以前のたくましかった上半身もかなりやせて
大学の入学式に着るスーツも既製品が入るまでになった
昔のままならスーツはオーダーしないとダメだったので
このタイミングで間に合ったのは非常にありがたい

かくして、不精な性格とあきらめのよさ(?)が幸いしてか
ダイエットとは無縁の生活を送りながら自然と普通体形に落ち着きつつある娘だが
周りでは自分よりもずっと細い子達が「やせなきゃ」と一生懸命になっているのを見て
やせて美しくなることへの漠然とした願望が一体どこまでいけば満たされるのか
その美しさの基準はどにあるのだろうと
考えさせられることもしばしばあるらしい

さて、わたしの記憶するかぎりでは
80年代の前半に「○○マンナン」というコンニャクのダイエット食品と
今ではすっかりリーズナブルになったウーロン茶が”やせるお茶”として高値で出回ったのが
ダイエットブームのはしりではないかと思うが
当時わたしは大学生で
最もダイエットに関心を抱く年頃であったにもかかわらず
わたし自身はこれらのダイエット食品に手を出そうとは思わなかった

何事にも凝るタイプのわたしは
その頃ちょうど栄養学の勉強をしていたこともあり
ダイエットするためのカロリー計算を覚えて
一日食物摂取量を1400キロカロリー程度におさえれば
結構短期間に体重を落とすことが可能であることを経験していた
一方で、あまりに短期間で一気にやせると
今度はリバウンド現象が起こることも経験済みだった

人間の体とは不思議なもので
一度飢餓状態になると
次に食べ物が入ってきた時には異常に取り入れようとする作用が働く
そこで取り込みすぎた分を落とすために
更に厳しくダイエットするほどリバウンドも激しくなり
程度が過ぎるとやがて過食と拒食を繰り返す病気へと移行していくわけだ

当時、文献で過食症と拒食症の悲惨な症例をいくつも読んだ経験から
「ダイエットはほどほどに・・・」がわたしの脳内に刻み込まれ
いつか子どもを持ったら、特に女の子には早いうちに
正しいダイエット方法を教えなくてはならないと心に決めていたものだ

あれから約30年の間にはダイエットは一大産業となり
ダイエット食品も、グッズも、また新しいダイエット情報も次々生み出されてきたが
それらの中にはキケンなものや、ただお金を使うだけの無駄なものも数多く含まれ
多くの問題を残しながら今日に至っている

それらの経験を踏まえた上で
わたしが娘に教えてきたのは主に以下の5点だ

・三度の食事を炭水化物を抜いたりしないで普通に食べる
・身の回りに置き菓子をしない(これかなり重要)
・夜9時以降の夜食を避ける
・身に着けるだけでやせる下着とか、飲むだけでやせるサプリメント等
 お金を使うのみで努力のないダイエットはありえないものと考えよ
・無理な食事制限は必ずリバウンドする
 特に、ひとつの食品だけを食べる類のダイエットは絶対やってはならない

そして、もうひとつ特筆すべきは、日常的に運動を取り入れることだろう
だが、若い頃のわたしは体操などの運動でやせるという確実な経験がなく
ウォーキングも面倒なのでやったことがない
なので、娘にも具体的にどのような運動が適しているのか当初わからなかったが
とりあえず年末あたりからストレッチ体操をネットで探してはじめてみた

2週間もすると、体操の効果が出てきて
足が少ししまってきたと喜んだのもつかの間
今度はO脚が顕著になってきて、ひざが全くつかなくなってしまった
体操したらこんなになっちゃった〜と嘆く娘
そんなことってあるのか?と不思議に思って調べるうちに
実はもっと重要な問題があることがわかってきた

最近のダイエットでは、骨盤矯正体操がちょっとしたブームのようだが
骨盤のゆがみによって起こるいくつかの症状
腰痛やひどい肩こり、くつ底の外側が減る、下半身太り、左右の足の長さの違い
O脚気味、床に仰向けに寝ると仙骨があたって痛いなどが
わたしも娘もほとんどすべて当てはまる

というわけで、母娘の骨盤矯正体操が日課となってから2週間あまり
これが実に良くて
気になっていた腰の横張りがすっきりしてくると共に
O脚はほぼ解消
そして何より腰痛や重症の肩こりが軽くなってきたのが嬉しい
こうして色々体の均整がとれるようになると
もれなく健康もついてくるようだ

美しさを探求する時には
そこから得られる結果によって
それが単なる見せ掛けなのか
それとも真の美しさなのかがわかってくる

さあ、この骨盤矯正体操にどれほどの効果があるのか
まだしばらく続けてみよう

*****

被服制作の最後の授業の時
自作浴衣の記念撮影が行われた

yukata2010.jpg

自分で選んだ生地で
最後まで頑張って縫い上げた一枚は
青春時代の良い記念になるだろう



(2010.2.12.記)



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