青春賛歌第二幕 14〜初心者


息子の卒論発表会が昨日無事に終わった
まあ無事というか、とりあえず終ったというべきか
本人にとっては、かなり力を入れて準備してきたものの
思うように行かなかったことも色々あったらしく
A0サイズの大きな発表用ポスターを抱えて帰宅するなり
疲れた疲れた〜〜〜を連発する

発表前日に出来上がったポスターは
本人曰く「色使いやレイアウトのセンスに欠ける」もので
研究成果の如何に関わらず
発表の演出やプレゼンテーション能力によって
随分インパクトに差が出ることを痛感したようだ

「なんたって(中学時代)美術の成績は2だったしなぁ〜」と苦笑^^;

だったら2年後の修士論文発表の時には
美術は5だった娘にポスター制作を依頼すればいいんじゃないの?
なんて冗談半分本気半分の話になり
その後、バイトから帰宅した娘に話を持ちかけてみると興味津々のってきた

「じゃあスーパーの安売りチラシみたいに大げさに演出するとか?」
「さぁて、その実験結果は如何に?!・・・・ジャジャーン!!!みたいなのはどうよ^^」

・・・あ、いや・・・それはちょっと趣向が違うと思うよ、、、^^;

poster2011217.jpg   こちらが問題の(?)ポスター
  わたしから見れば
  これのどこが気に入らないの?
  という感じだが
  一番の問題点は多色使いにあるという
  もっと色数を絞って
  シンプルに仕上げるのが
  次回の課題

初めて研究室に所属したこの一年は
未経験のことばかりで
自分でも何をやっているのか、完全に把握できないまま
中途半端に過ぎた部分もある

発表を終えた友人の一人は
「発表しながら、自分は何もわかっていないことに気づいたよ」
と言っていたという
でも、これって、わかったつもりになっているよりもずっといいと思う
天才でもない限り
新しい道に踏み出してすぐにすべてを理解する人はいないのだから
とりあえず自分の現状を把握するのが最初の一歩
そこでの危機感は次の一歩につながる

昨日の発表会には3年生も見学に来ていて
彼らが新4年生として入ってくれば
息子も自分の一年前の姿を思い出し
この一年で何をつかんだのかを実感するだろう

ちなみに
かつて息子の美術が2であった原因は
美術的センスの問題以前に
提出物を一つも出さない点にあった(呆)

小学校3年の時には、全く宿題をせず
居残りを命じられても常に無視して帰っていたら
ある日突然先生が自宅にやってきたのも
今は懐かしい思い出に・・(遠い目)・・・というか、忘れたい過去?!^^;

さて、こうして卒論が一段落すれば
今度は”おもちゃ”が待っている
とはいえ、こちらもまだ初心者だ

shiseibike2011214.jpg

くれぐれも事故のないように気をつけて欲しいもの

shiseibike2011217.jpg

一方、娘の方はというと
気合を入れていた実技試験が思ったよりも上手くいき
ホッと一安心しているところだ

7月の前期試験はあがってしまったが
今回はとても落ち着いていられたのは、通常レッスンに加え
B先生のレッスンを毎週のように受けて自信をつけたこともあるだろう

いくら一生懸命練習しても
自分ひとりでは良し悪しの判断ができない
本来、自分の声というのは、自分の耳に聞こえているのとは違っていて
その証拠に、自分の声を録音して聞いてみると
自分の声ってこんなんだったの?と驚いたり恥ずかしくなったりするものだ

だから、声楽の勉強においては
本来の声ではない声を聞いて自分で判断するのではなく
どう発声した時に一番良い声が出ているのかを
指導者に聞いてもらいながら、あるいは録音した声を聞きながら
身体で覚えていくことになる

娘の場合、耳管狭窄症のため、自分の声を自分の耳で聞き取るのが難しく
それを不利なことだと思ってきたけれど
歌の場合はむしろ聞こえない方が
”身体で覚える”という意味を体得しやすいかもしれない

一年前、本格的に音楽の道に進みはじめた際
一番不安だったのは耳の問題だ
でも、今はその不安も
悪いことばかりじゃないと思えてくる

後期試験が終り、これで一年次も終了するわけだが
春休みに入った現在も
今月末にある病院での歌のボランティアの準備や、来月の発表会に向けたレッスンなど
芸事の世界に休みはない

まだ一年生だから・・・と言い訳できていた日々は過ぎ
自分ではいつまでも初心者と思いつつも
そういって甘えてもいられなくなってきた

病院では唱歌を中心に10数曲を同じ先生の門下生で歌うが
その中で娘は『月の砂漠』を独唱することになっている
お年寄りが中心だという入院患者さんたちに喜んでもらえるよう
精一杯頑張りたいと、声楽家の卵はただ今奮闘中



(2011.2.18.記)



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