青春賛歌第二幕 17〜苦手意識の克服


兄妹初共演となった今回の結婚式も無事に終ったところで
時はすでに7月、今度は定期試験が近づいてきた
蒸し暑い日々が続く中、またそれぞれの日常に戻っていく、、

式の前日には音合わせをしながら
「何回弾いてもこの前奏曲が一番緊張するんだよね」と息子が言うと
娘も大きくうなずいた
「そうそう、ソロは失敗できないから怖いよね」

あれはまだ娘がお腹にいた頃だったから20年ほど前になるが
わたしはある式典で前奏曲を失敗したことがある
その時はものすごく一生懸命練習をしたにもかかわらず
もともととても緊張するタイプなので、それがひどくなると楽譜が見えなくなり
今どこを弾いているのかがわからなくなって、ついに手が止まってしまったのだ

こういう経験をするともう二度と弾きたくなくなるものだけれど
現実にはそういうわけにも行かず
その後も何度かやっとのことで務めを果たしながら
そのうち新しい人材にバトンタッチすることができて現在に至る

20年たっても、あの途中で手が止まった時の焦りは忘れないが
結局こういう苦手意識というのは
経験を積むことによってしか克服できないこと
かといって、何度経験しても苦手意識は消えないことも知ったので
そのつど自分にできることを一生懸命にやるしかないのだと
子どもたちにも事あるごとに伝えてきた

うちの結婚式のスタイルは教団時代から変わっておらず
新郎新婦(あるいは新婦と父)の入場の際には、先導者が伴奏なしの歌で先を歩いていく
多分、欧米の古い時代のスタイルなのだろう
現在はこういうスタイルをとる結婚式は珍しいようだ

わたしはこの先導者も何度も務めたので
伴奏なしで歌い始めることが、「絶対音感」を持たない者にとっては実に大変なことも知っている
「絶対音感」とは、聴こえてくるすべての音を音程(ドレミ)で判断できる能力であり
生まれつき持っているか
あるいは幼少期に訓練することで身につけることもある程度は可能らしい
これをもっていれば自分の出したい音程できちんと音出しができるが
持たない場合には出だしの音程が高すぎたり低すぎたりして
その後の歌が実に歌いづらくなってしまう
娘もわたしと同様に絶対音感を持たないため
何度練習しても実際に歌いだすまで心配は続いた

さて、結婚式の2日前には
娘は大学のある大きな行事でひとつの役目を任されていた
思えば高校生の時にも、生徒会に入っていた(正確には”入れられていた”)関係上
全校生徒の前で何かやることが色々あり
よほど度胸がある者以外は恥ずかしくてやめておきたいような経験もしてきた

だが、今回の大学行事が無事に終った後、娘は言うのだ
「今は恥ずかしいことほど本気でやることにしている
中途半端にやるとますます恥ずかしいからね」

どんな役目も受けたからには
逃げないで、正面からぶつかっていくしかない
でも、その経験が自分にとって自信となり、信用へとつながっていくことを
今回も実感したようだ

娘もすでに20歳になり
わたしにとっては「子どもたち」だが、二人ともすでに20代の大人になった
大人になれば何でも自動的にできるようになるわけではなく
好きなことでさえ、何でも苦労なく上手くやれるわけでもない
そして、社会へ出ればますます自分の苦手意識と向き合わなくてはならなくなる

学生時代はまだ失敗が許される時だ
恥を失敗を恐れなければ、多くを学ぶこともできる
いや、学生でなくても、「若い」というだけでまだ許される部分も多く
この先の「伸びしろ」もまだまだあるということ

今回の式典もそれぞれ精一杯よく務めたと思うけれど
次は更に良くなるように
ひとつひとつのチャンスを活かしながら前へ進んでほしいと思う

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先導者を務める娘            兄妹共演2ショット
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バラのついた指輪ケースが可愛い




(2011.7.6.記)



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