青春賛歌第二幕 37〜すべての山に登れ


6日、ミュージカル同好会による『サウンド・オブ・ミュージック』があり
娘は修道院長の役で出演した
メンバーは、昨年みんなで福岡まで劇団四季の公演を見に行って
それぞれの役作りの勉強をしたが
娘の修道院長は
その所作から雰囲気から実にハマっていて
後で周りからも「修道院に就職したら?!」と言われたという(笑)

(絵の得意なメンバーによるパンフレットの挿絵がかわいい)
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本人が一番楽しみにしていた「すべての山に登れ」を歌う場面


一番最後の場面でも、娘が最前列に立ち
みんなと一緒にこの歌を歌ったが
娘にとっては
音楽の道に進もうと決めた日から今日まで
たくさんの山を越えてきたことを思うと
随分感慨深いものがあっただろう

音楽が好きだから、自然に努力はしてきたけれど
その山々は決して自分の頑張りで越えたのではなく
気がつけばいつもチャンスに恵まれており
無理なく開かれた道を進んできて今日がある

小学6年の時、市民オペラに参加させてもらい
こんな舞台にこれからも立てたらどんなに幸せだろうと夢見つつも
現実を考えれば遠い夢でしかないと思えたあの頃・・
それでも、中学2年の発表会で歌ったイタリア歌曲を聞いた時
わたしはこのまま娘が音楽から離れた道に進学することが惜しいと思った
今思えば、わたしはあの頃から娘の歌のファンになっていたのだろう
それからは、娘の進路を考える際には
いつも音楽という選択肢が頭の中にあった
そして、自由選択制を導入した公立高校に入学して音楽を中心に学び
そこで出会った先生や友人に刺激を受けて
いよいよ本格的に音楽の道へ進みたいとの気持ちも強くなっていく
高校3年の時には
奨学金ですべての学費をまかなうことを前提に音大に進学することを決意
そこは、学生のレベルに合わせた試験を受けるカテゴリー制度をとっており
入学当初は、一番下のレベルからスタートした

当時のことを振り返ってみると
「音大なんか出ても就職はない」ことが常識の世の中で
とりあえず4年間音楽に集中することしか考えず
奨学金という大きな借金を背負って
よくあの小心者の娘が平気でいられたものだと思う
それほど、好きな道を歩むことは
人の心に確信と勇気を与えるのかもしれない
自分の道はこれしかないと、、、

それから3年間の記録は
この青春賛歌第二幕の中につづってきたが
書ききれないほどの喜びと不安とチャンスと感謝があふれる日々の中で
娘は確実に大切なものをつかみ、大きく成長した
そして、このたびの試験で
ついに特待生として学費免除を受けることが認められるまでになったことは
世間の常識からすれば 特にこの不況のご時世に
将来の約束もない不安な道を歩んでいるようでも
娘にとっては神さまから与えられた正しい道を歩んでいるのだと
改めて確信させられるものであった

今は来年の大学院への進学も視野に入れつつ
たちまち4月末まで詰まっているコンサートの準備に忙しい
ひとつひとつの演奏の機会を丁寧にこなしていくことで
「次もお願いします」と声をかけてもらうことが
活動を続けていくためには何より大切なのだ

このたび、コンサートのパンフレット用に
はじめて写真館でポートレート写真を撮った
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わたしが若い頃には知らなかった「神の領域」というものを
娘はすでに知っており
自分の頑張りによらない、気負わない自信と
まだ見ぬ未来に限りない希望を持っていることが
その表情からうかがえる


(2013.3.8.記)



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