音楽と共に生きる 30〜ひとつの目標


毎年10月に実施される大学の定期演奏会は
17日は学内のホールで、18日は島根まで遠征して行われ
娘は合唱団の一員として参加した
この定期演奏会には毎回ソリストがオーディションで選ばれるのだが
たいていピアノか声楽が隔年で選ばれることになっている
今年はピアノの年、声楽は昨年だった
そのピアノ独奏の様子を見ていて
娘は初めて昨年の動画をチェックする気になったという

とても歌いたかったメンデルスゾーンの『ラウダ・シオン』
この曲は自分の曲!とほれ込んで早々に楽譜も買ったけれど
オーディションでは次点に泣いた
この日はかなり落ち込んでいたものの
元々あきらめのいい性質なので
もうどうでもよくなったのかと思っていたら
それをオーディションの日から一年数か月も引きずっていたとは、、
改めて娘がどれほどこの曲に思い入れがあるのかよくわかる

それで、やっと動画を見た本人はこう決意した
「この曲を歌うまで歌はやめられない」

ちょうどベートヴェンの『第九』のように
オーケストラと合唱団をバックにソリストが歌うスタイルの『ラウダ・シオン』は
今後そう簡単に出演のチャンスがあるとは思えない
だからこそ、これを歌を続ける目標にする

安定した職を選ばず
演奏家として不安定な道を歩む時には
こういう「いつかきっと!」という目標が必要だ
娘にはあまり欲がなく
人に負けるとかそういうのはどうでもいいと思っているので
ともすれば歌を続けることも簡単にあきらめてしまうかもしれない
この先どんな道が続いていくのか今は何もわからないけれど
心うばわれる曲との出会いは
とりあえず娘の心を奮い立たせてくれた
大学院の修了演奏会まであと3カ月
最後まで精一杯がんばって良い成績を残したい
改めてそう思うに至る

今は、3日後に迫った小学校の芸能鑑賞会の準備に忙しい
東京からkeisukeも帰ってきて集中特訓中だ
それに合わせて、わたしも「銀色ドレス」を仕上げた
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こちらは7日の童謡・唱歌コンサート用のパニエ
panie20151029.jpg

ワイヤー入りのパニエは椅子に座った時に浮いてしまうので
ステージ上で座ることのあるこのコンサートには
チュールレースのみでスカートが広がるパニエが必要だった

こうして10月は金銀のドレス作りに追われたが
娘が歌を続ける限り、わたしもドレスを作るのだろう
この目標があると自分が活性化するのが分かる
もう無理かなと何度も思いながら、それでも続けてきてよかった


(2015.10.30.記)



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