音楽と共に生きる 27〜仲間の舞台


娘と一緒に大学1年の時から活動してきたkeisukeは
卒業後、東宝芸能のオーディションに合格し
地元でレッスンを受けながら東京と広島を往復していたが
5月10日の舞台(『オペラ座の怪人』)を最後に広島を離れ
いよいよ東京で本格的に舞台俳優への道を歩み出した
とはいえ、本当に舞台デビューするまでには何年かかるかわからない
そんな彼を応援し、「初舞台は必ず見に行くから」と約束して送り出した娘の所に
彼から初舞台決定の連絡が届いたのはわずか一ヶ月後の事だった
その舞台は
元宝塚トップスター達と一緒に出演する帝国ホテルでのディナーショーだ

イベントの詳細はこちら

この報告を受けて娘はわたしのところに興奮しながら知らせに来たが
ものすごく喜びつつも、残念そうにつぶやいた
「初舞台が37,000円のディナーショーじゃあさすがに見に行けないわ〜TT」
そう、学生の身分では東京までの交通費を捻出するだけでも大変だし、、

それでも、こうして早くも彼が選ばれたことをとても誇りに思い
応援メッセージを送って、次の機会は必ず見に行きたい!と願った翌月には
更に大きな舞台の報告が来た
劇団四季創設者の浅利氏が演出するミュージカル
『李香蘭』のオーディションに合格したのだという
前述のディナーショーは9月末だが
『李香蘭』は8月31日から始まっているので
結局娘は彼の「初舞台」を見に行けることになったのだ

ただし、オーディションに合格しても
稽古の途中で使い物にならないと判断されれば舞台には立てないかもしれない
2日目公演のチケットを購入しながら
本当に彼が当日その舞台に立つのかどうかは
その日のキャストが発表されるまで分からないのだと
現実の厳しさをしみじみ語る娘、、
また、うちのサイトでアップしてきた動画も
彼の出ているものは非公開にするよう頼まれた
娘が仲間と共に演奏してきた思い出も過去のものになったのだと
少し寂しい気もしつつ、わたしはすぐにその作業をする

ミュージカル『李香蘭』の公式サイトはこちら

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彼は最初「男性アンサンブル」のひとりとして採用されたのだが
練習中の様子が浅利氏の目にとまり
「フレッシュな感じが良い」ということで
急きょキャストに抜擢されることになったという
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しかも彼の役は代役のないシングルキャストだ
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彼にとって劇団四季はミュージカル俳優を目ざすことになった原点であり
その舞台にいつか立つことが大きな目標・遠い夢であったわけだが
正確には今回の舞台は劇団四季のものではないけれど
演出家も俳優も元四季の人たちが中心だから
これはもうほとんど四季の舞台と言えるもの
ということは、彼は上京して2カ月で夢がかなってしまったのだった

2日目公演を3列目で見守っていた娘は
彼の長所も短所も知り尽くしているから
彼らしいキラキラした個性が出ているのを見て安堵する一方
まるで親のような気持ちでハラハラもした
また、娘自身もはや耳が肥え過ぎ、舞台を見る目も厳しくなりすぎて
ベテラン俳優も含めて細かいところが気になってしまう
今回の演目は重い内容だから、気楽に楽しむようなものではないけれど
日頃から自分が歌ったり演じたりしていると、視点は当然普通の人とは違ってきて
舞台に立つ人たちの苦労が身にしみてわかる気がした

なお、彼はキャストの他にもアンサンブルの人たちと一緒に軍人など6つの役をこなし
立派に舞台を務めていた
初めての大舞台で本当に本当によく頑張っている
今週末の千秋楽まで元気で乗り切ってほしい

公演終了後には
娘は受付で名前を告げたら楽屋に案内してもらえることになっていたが
(そういう経験は初めてだから面白いと思っていたのだが)
結局打ち合わせなどの関係で少し待っているうちに彼の方が出てきて
その後はカフェで色々語った
お互いにこれからどうするのかという話になると
娘は相変わらず地元でやっていくつもりだと告げる
11月には彼も広島に帰ってきて、また娘と一緒に演奏する機会があるので
彼の成長ぶりを見るのが今から楽しみだ

明日は地元合唱団の練習日
前回は台風で中止になったので久しぶりの感じがする
あの時はちょうど体調が悪くて大変だったけど
明日は元気で歌えそう


(2015.9.7.記)



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