無農薬無肥料栽培への道11〜本気で『炭素循環農法』へ移行する (1月5日)

2009年9月15日から10回にわたってまとめてきた「無農薬無肥料栽培への道」の続編として
今年の取り組みをこれから定期的に記していこうと思う

タイトルの『炭素循環農法』
自然の生態系に則した栽培方法であり
わたしもここ3年間はこの農法の基本理念に基づいた取り組みを行ってきたが
どうしても完全にこの農法へと転換できないのは
”肥料を与えなければ植物は育たない”との思いが変えられないからだった

  山の木々は誰が肥料を与えるわけでもないのに大きく育つ
  そこでは堆肥化した落ち葉や動物の死骸が養分となり
  更に土中の微生物層が豊かに整うことによって
  植物の生育にちょうど必要なものが供給されるという
  自然界の絶妙なバランスが存在している


そう、この理屈はよくよくわかっているつもりだ
だからこの3年間は
それまで肥料や堆肥などさまざまな有機物を投入して腐敗してしまった土を清浄化すべく
イネ科の植物を植えて残留肥料を吸わせたり
EM菌や酵母発酵液を定期的にまいて発酵系微生物の数を増やすよう努力してきた

特に土を汚す有機肥料は厳禁とされているので
油粕などを主体にした発酵肥料も使わなくなったし
化成肥料もいったん発酵させたものをわずかだけ使うようにした
本当は、この化成発酵肥料も使わずにすんだらいいと思い
2009年11月からはブロッコリーを使って完全無肥料栽培も試みたが
「完全無肥料ブロッコリー栽培完結編」に記したとおり
やはり多少の肥料分を補わないと生育は思わしくなかった
で、この”多少の肥料分”をどう補っていくのかが課題として残る

そこで、改めて炭素循環農法のサイトを読み直し
今年はもう化成発酵肥料もやめて
炭素循環農法の推奨する緑肥作物ですべての養分を補うことにしようと思うに至った
3年かかってやっと完全形へと踏み出すわけだが
この農法の効果が出るには2〜3年はかかるとのこと
でも、うちではすでに「炭素循環農法もどき」ともいうべく取り組みを続けてきたので
あとは肥料を緑肥に置き換えさえすれば
たちまちある程度の結果が出るような気がしている

というのも
昨秋からセンチュウ防除目的でライ麦などを青刈りして土にすきこんでみているが
「センチュウ防除対策4」に記したように
ボロボロだった赤ナスの葉っぱが、株元に生のライ麦を入れることで正常化し
今も立派な実を残しているからだ

akanasu2011105.jpg

はじめのうちは
ああセンチュウが減って元気になったんだろうなあくらいに考えていたけれど
今思えば、結構たくさん入れたので
緑肥としての養分も役立ったのではないかと思う
同じように株元に青刈りライ麦を入れたバラも
未熟なものを入れてどうなるかと心配したものの
その後 弱っていたバラまで元気になり
期待以上の美しい花が咲いた
ならばもう思い切って転換してもいいのではないかと・・

今回の決断については
意外にもわたしよりも母の方が積極的だった
母の場合、家族の口に入る野菜を作っているので
何よりもその質にこだわっている
実際に、夫の花粉症も非常に軽くなったし
娘のアトピーも落ち着いて肌の状態も良いことを思うと
うちの野菜は高いサプリメントよりずっと効果があるとわたしは感じている

だが、母自身も来月には76歳になる身
コンテナでの野菜つくりを始めた8年前に比べて体力も気力も少なからず低下し
更に年をとっても楽に続けられる栽培方法を見つけるまでに
本人曰く「もう躊躇しているほど時間がない」

はじめの頃は頑張って古土を干したりふるったりしていたのが
(それがコンテナ栽培の常識なので)
今はもう土をひっくり返さなくても
難しいナス科でもそのまま連作が可能になった
もし今もコンテナ栽培の常識にのっとった栽培方法をとっているなら
この先、いや、たちまち今でも行き詰ってしまいそうだ
だから、ここまでチャレンジしてきた非常識ともいえる取り組みによって
母の野菜作りの寿命は確実に延びたといえる

それは母のみならず、わたしもいずれ通る道
わたしも年をとってもずっと庭をバラを楽しみたい
人手を借りず、一体自分でどこまでやれるだろうか・・
そのために確立したい栽培方法がある
それに向かって今年も少しでも前進したい

今日は
青刈りしたライ麦を置いたり埋めたりしたところへ
少量(←重要)の米ぬかをまき、1000倍希釈のEM菌発酵液をかけ
バラ一株に1〜2本の花麦の小苗を植えた   (↓種採り用に残したライ麦の穂)
hanamugi2011105.jpg raimugi2011105.jpg

raimugi2011105-2.jpg

この花麦は自家採種を繰り返したもので
生長が早く、大株に育つため、緑肥には都合が良さそうだ
ライ麦も自家製の種ができたら更に勢いが良くなることだろう

バラが育つために必要な養分を補うほどの緑肥がどのくらい必要なのか
今の段階では全くわからないけれど
とりあえず今のうちに育つものから育てていこう




Topに戻る



inserted by FC2 system