無農薬無肥料栽培への道15〜炭素率 (1月27日)

今年の方針として、とりあえず
「微生物のエサを投入し続けること!」は決まった
だが、この時期、残念ながら青草も剪定枝もなく
まわりに微生物のエサになるようなものが見当たらない
さてどうしたものか・・・と考えていたら
ホームセンターで切りワラとモミガラの大袋を見つけたので買ってみた

さっそく野菜にマルチする
matuchi2011127-1.jpg

炭素循環農法において
こうしてマルチしたり土にすきこんだりする有機物は
「高炭素」であることが必須だ
ただし、単に高炭量が多いのみならず、チッソ量との関係が重要で
その割合を「炭素率」と呼ぶ

炭素(C)÷チッソ(N)=炭素率(C/N比)

今回マルチ材に用いたワラやモミガラは高炭素資材で
炭素率は、ワラ=77、モミガラ=96

  「C/N比40を境に、以下ならバクテリア(細菌類)、以上なら糸状菌(菌類)が主に働く

一方、一緒にまく米ぬかの炭素率は16と低い
つまり米ぬかはチッソ量が多く
そのために微生物のエサとしては食いつきが良いため
発酵の起爆剤として用いられるが
炭素率の低い資材が多すぎると、細菌が暴走して腐敗に傾く危険性が増す
これが、過去にわたしがやってきた失敗の原因だ

生ごみ堆肥作りをやっていた時代も
栄養豊富な堆肥を目指すあまり
魚のアラなど高チッソの資材を多く投入し、米ぬかもふんだんに使った
また、発酵肥料作りにおいても、高栄養(高チッソ)であることに重点を置いていた

炭素率については、その頃から知ってはいたけれど
炭素率が高い=分解しにくい、との概念があり
ワラやモミガラなどの高炭素資材には
栄養源としての即効性がない分、魅力を感じていなかったのだ

というわけで、かつての低炭素率型から一気に高炭素率型へと転進するにあたり
今、自分なりに気を配っているのは「炭素率40」という目安
糸状菌優位と細菌優位のちょうど間になる炭素率40となる資材は
代表的なものでは、キノコ廃菌床があるが
こういうものは容易に手に入らない
そこで、イネ科の緑肥を青刈りしたものがちょうど40くらいになるとのことから
昨年秋よりせっせとこの手の緑肥を育てているわけだ

でも、今の時期には緑肥作物も思うようには育ってくれないし
他に身近なところで何か利用できるものはないかなあ・・・と
朝、リンゴの皮をむきながら考えていて
ふと頭をよぎったのは
「リンゴの皮って炭素率がどのくらいなんだろう」

同じ植物でも、茎や葉っぱもあれば、根、花そして果実もある
そして、今回はじめて知ったのは
部位によって炭素率が異なるという事実だ

茎や葉っぱのように生長する部位にはチッソが多く炭素率が低い
一方、葉っぱで光合成が行われてできた炭水化物(炭素)は
果実や根にたまる
よって、果実や根は炭素率が高い

そして、なるほど!と思ったのは味の問題だ
果実が甘いのは糖分(炭素)が多いからで
もしチッソが多ければ苦味が出るという
ほうれん草などが生のままでは苦くて食べられないのはチッソが多いからで
キャベツのように、結球するタイプの野菜は
外葉はチッソが多くて苦いが
中の葉はチッソが少なく生で食べられるとのこと

ふむふむ、これで炭素率の意味がちょっと身近になってきた

それでリンゴの炭素率だが
調べてびっくり、なんと231もあった@@
その他、台所から日常的に出る生ごみといえばジャガイモや玉ねぎの皮
こちらは
ジャガイモが33、玉ねぎが41と、なかなか理想的な数値になっている
ちなみに、チッソ過剰で育った玉ねぎほど涙がたくさん出て、味も悪いとのこと
この辺は
チッソ過剰のバラの花がいびつに咲くのと似ている
あと、茶カスは10と低いが、コーヒーカスは25
緑の濃い葉もの野菜は6〜10だから茶カスの数値も納得(コーヒーは実なので高め)

こうしてみると
生ごみは、チッソの多い魚のアラなどを避け
植物性のものだけ組み合わせていけば
結構ちょうどいい炭素率になりそうだ

そこで、炭素率の低い茶カスは
モミガラやワラを置いた畑に足していき
果物や野菜の皮は庭に少しずつ埋めてみている

さて、母がワラを敷く作業を行っていたら
ライ麦を育てながらすきこんできたところに
ハコベが生えているのを見つけた
hakobe2011127.jpg

土地が肥沃であることを示すハコベの自生は
ここの土の状態が良くなってきたことを教えてくれるのだろうか

この寒さの中でもしっかりライ麦の育っている庭でも
ハコベが増えてきた
ちょっと嬉しくてわくわくする・・^^
 




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