無農薬無肥料栽培への道36〜化学肥料と微生物 (7月14日)
『化学肥料を使うと微生物が死ぬ』
有機栽培を推奨する際には、上記のようなフレーズが使われることがある
これだけ聞くと、化学肥料は微生物を殺す毒なのか?といったイメージを抱くが
その辺の真相をよく調べてみると、だいたい以下のような感じに落ち着くようだ
・化学肥料だけで作物を育てる⇒土に微生物のエサ(有機物)を入れない⇒微生物が飢えて死ぬ
・化学肥料を使う⇒無機態チッソで植物が軟弱化⇒病虫害が増える⇒
農薬を使う⇒微生物が死ぬ
以前も書いたように
わたしは化学肥料を使わないいわゆるオーガニック栽培派ではない
というのも、薄上氏の発酵肥料本には
無機の化学肥料も微生物の力で有機化できると記されていることから
化学肥料も使い方で有機肥料に化けることを期待してきたから
微生物は植物と同じく、硫安や過リン酸石灰、塩化カリ
硫酸マグネシウム、肥料用石灰など
植物が必要とするすべての化学肥料(無機栄養分)を消化吸収できる能力を持っています
といっても、微生物にも得手・不得手があり
化学肥料を分解吸収利用する力の最も強い微生物は
アルコールをつくる酵母菌です(『発酵肥料のつくり方・使い方』より抜粋)
この理屈を利用して
わたしは昨年まで「即席化成発酵肥料」なるものを考案して使ってきたが
今年は無肥料栽培に移行するため、この肥料は封印してきた
というのも、炭素循環農法のHPにも
肥料を使うことで微生物の働きが阻害されるなどの注意事項が色々載っているため
ここは潔く全部やめてみようと思ったわけだけれど
現実問題としてこのキュウリの不作具合や(やっと1本だけ実が生った)
2週間前に一部のバラやクレマチスに化成肥料を施したら
一気に生長しはじめたのを見て
ここで少し考え直してみようと思うに至る
なお、前回の報告時にはまだ肥料の効果が出ておらず
施肥の意味がなかったかも?と書いたが
遅効性の化成肥料(10-10-10)を使ったために効果が出るのにもう少し時間が必要だったようだ
また、このクレマチスは5月から伸びては虫に食われたり生長がとまったりを繰り返し
今回が今年初めての開花となった
さて、ここから先はある程度肥料を使わないと無理だなあと思っていたところに
炭素循環農法のHPで以下の記述を見つけた
高炭素資材のC/N比の調整に尿素を使えば有機JASの認定はされません。
しかし、短期間で高温発酵させるために微生物が使い切れば特に害はありません
これによると炭素循環農法では決して化学肥料を勧めてはいないが
化学肥料の微生物による有機化を否定しているわけではないようだ
というわけで、生育不良気味のものには今後『即席化成発酵肥料』を少量用いながら
引き続き微生物のエサを投入していこうと思う
『即席化成発酵肥料』の材料
”化学肥料を分解吸収利用する力の最も強い微生物”である酵母菌を重視し
ドライイーストを加えている
バラには冬の間ワラでマルチしており、春には一度それを取り除いたが
梅雨が明けたところで再び元に戻した
ワラの下で微生物が繁殖するように
スイカの皮を天日干ししたものも入れている
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