バラの施肥と病気について (5月11日)

今年もバラの盛りの時期を迎え
毎日新しい花が開く喜びに舞い上がり
写真をとり続けている一方で
一番心配していた病気がこの春はほとんどでていないことに
ちょっと拍子抜けしている状態だ

今年は新しい苗もあることから
通常新しい苗は春にウドンコ病が出やすいものだと覚悟していたのに
どの苗にも全くウドンコは出てこない
また、2年続けて数株にベト病が蔓延しており
一度感染した株は薬剤を用いても完治は難しいといわれているにも関わらず
感染株にも今のところ症状が出ていないことなど
何の対策も施していないというのに一体これはどうしたことだろう?

『旧ぶどう日記』の4月16日には
鉢バラが生長不良を起こしている実態を書いた
これらはみな昨年8月に植え替えたものばかりで
その時用いた配合土は
ぼら土・ピートモス・バーミキュライト・パーライトを等量ずつ混合したものだ
この中には栄養系の堆肥類は一切含まれておらず
鉢バラたちはその後まったく肥料を与えられないまま
あるものは秋にも花を咲かせそのまま休眠期に入った

3月になり、今までなら待ちかねたように肥料を施してきたというのに
今年はどうもそういう気分にならない
これまで施肥のミスで土が腐敗したり、バラが弱ったりしてきたことを考えると
何をどう与えたものか行き詰まってしまったというのが本音だろう
それでもバラは時期が来れば新芽を伸ばし始めた

そして4月
昨秋に新しく購入したバラたちは勢い良く枝を伸ばして
その先にはたくさんの蕾がついた
だが、無施肥のまま8ヶ月以上放置してきたバラたちは
どれも葉色が浅くなり、やがて生長が止まってしまったのだ



ここまできたらもう放っておくわけにはいかない
とりあえず一度液肥を潅水した後
ホームセンターでバラ用肥料を買い
7号鉢に20グラム程度を土の上にぱらぱらまいた
また、ちょうど植物用活力剤をいただいたので
消耗の激しい株にはそれも挿しておいた


それからまもなく芽は動き始め
4週間が経過した今
どの株にもたくさんの枝が伸び蕾がついた



ギリギリまでダイエットしてきた株は栄養の吸収も良かったのだろう
また、通気性を重要視した配合土の為に根張りが良くなっていることも
施肥の効果が出やすい要因かもしれない

今回、自家製発酵肥料ではなく市販の肥料を使ったのは
NPK比がはっきりしているために
その使用量からバラがどのくらいの養分を必要とするのか計算しやすいから
それと、自家製肥料は使い方によって肥料そのものが腐敗してしまう恐れがあるので
今年の鉢バラは市販肥料で行ってみようかと今の時点では考えている
一度基本に帰ってみないと
どうもわたしはあれこれ実験を欲張りすぎて
結局何もかもが中途半端なのだ、、

一方、秋にバラ園やホームセンターで買った新しい苗は
同じ配合土に無施肥で植え付けた後
現在まで一度液肥を潅水しただけだが
特にバラ園の大苗は
半年無施肥でたくさんの蕾をつけ立派な花が咲くことに感心してしまった
(例:たそがれ)



それを以前は新しい株にも3月になれば肥料を与えていたので
(液肥も毎週潅水していたし)
結果的にそれが過剰となり
特にチッソ過多で出やすいといわれるウドンコ病を招いていたのかもしれない

かといって、ダイエットしすぎては今度は株が弱り
弱った株は病気にもなりやすいだろう
生長の止まった株には黒点病がちらほら出はじめていた
この辺のバランスの見極めが非常に難しいのだ
だから一番大切なのは“バラの顔色を見ながら”ということなのだと
あらためて実感する

この“バラの顔色を見ながら”というのは
水やりにもあてはまるようだ
わたしは水やり過剰派で
施肥ミスの上に、これが土の腐敗を招いていた
例年、鉢バラは3月に芽が出始めたら毎日潅水してきたが
今年はまったくの雨まかせで
雨が降らず、土がどう見てもカラカラになってきたところで
やっと潅水するようにした
4月になって枝が伸びてきても
枝先がしおれてくるのを目安に潅水
蕾をたくさん持ったものほど水切れしやすいので
すべての鉢に均一に水やりすることは避けている

気温の上がってきた現在は
潅水の機会も増えてはいるものの
やはり基本は“バラの顔色を見ながら”だ
今思うに、このギリギリまで水を控えることも
ベト病の出ない要因のひとつとなっているのかもしれない

さて、4月16日の日記に書いたところの
8月の植替えから現在に至るまでまったく無施肥の3つの株に
花が咲き始めた
ひとつはラプソディ・イン・ブルーで
すでに8日の日記で紹介した
そしてもうひとつはチャイナの紫燕飛舞(ツーヤンフェーウー)
しっかり開花中だ



最後はカーディナル・ドリシュリューで
実はこれがベト病発症の根源バラだが
はじめついていたたくさんの蕾は半分くらい落ちてしまったものの
葉っぱも美しいままで今日無事に開花した



2年続けてベト病に悩まされてきた痕跡は今は感じられない
どうかこのまま無事に咲き続けてくれるようにと祈るばかりだ・・

それと毎年今の時期、ウドンコ、黒点、ベト病と
いつも何かの病気を患っていたグリーンスリーブスが今年はウソみたいに元気



さあ、これからどうなっていくのやら
楽しみでもあり怖いようでもあり
何にしても考えてみれば今年はバラにほとんど手をかけていなくて
もしこれで上手くいくなら言うことはない
バラ栽培をはじめて6度目の春
”楽で安価に健康なバラを育てる”との目標に
少しでも近づきたいものだと思う


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