バラにつくカビ その2 (7月17日)

「薄墨」の枝に残った白いカビは
そのまま放置するわけにもいかないだろうと思い
今度はEM発酵液肥に浸したペーパーを巻いてみた
しばらくして、ペーパーをはがすと
白カビは茶色くドロドロになっていて
こすると枝の地肌が出てきた
イメージ的には表面のカビが溶けた感じ



この後、水で全体を洗うとすっかりきれいになり
あたかも元通りになったかのように見えるが
問題はこのカビの正体だ

これは倒木によく見られる木材腐朽菌に似ている
もしそうであるならば
カビがついたまま放置すればその枝はどんどん朽ちてしまう
いや、その前に、そんな菌に寄生されるほど
このバラはすでに弱ってしまっているということなのだろう
ここ2年ばかりべト病などで随分ダメージを受けていて
農薬による治療も試みたがどうも上手くいっていない
今回たくさんの鉢バラの鉢増し作業が行われる中
このバラはこれ以上つつかない方がいいと思って対象外とした

さて、木材腐朽菌についてちょっと調べてみよう
まずこの菌が繁殖する条件は
・湿度85%以上(このところ湿度の高い日が続いている)
・木材含水率が20%以上(生きている木だから当然あるでしょう)
・生育適温は20〜30℃
・高温多湿を好む、要酸素
といったところで、もう条件はバッチリクリアしている

木材腐朽菌の中の9割が白色腐朽菌だそうで
代表にはシイタケやナメコなどの食用キノコがある
食用キノコと聞けば、なんだ安全じゃないのとちょっと安心するものの
生きたバラに寄生されたのではとんでもないことは確かだ

自然界においては倒木を土に返す作業を行っている白色腐朽菌も
家屋の建築資材を腐らせるのは厄介で
これを防ぐための防腐剤が色々と開発される一方
最近では環境汚染物質のダイオキシンに白色腐朽菌をかけると
80パーセント以上分解するという実験データも出ているらしく
たかが木材腐朽菌、されど木材腐朽菌、実に恐るべし!



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