無農薬無肥料栽培への道4〜庭の検証 (9月20日)

これまでは野菜栽培における肥料の変遷とその実態の記録を書いてきたが
同じような試みを続けてきた庭の方はどうなっているのだろうか

この道路沿いの花壇は
わたしが有機物信仰に陥っていた時代に最もたくさんの有機肥料や資材等を投入した場所だ
その結果、ここは南向きで日当たりも風通しも良好な条件の良い場所なのに
2006年の時点では文字通り”草も生えない”ほど土が腐敗してしまっていた
あれから3年がたち、今ではこのとおりちゃんと植物が育つ場所になったが・・・

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今なお残留肥料の影響だと思うが
植えたものが大きくなりすぎた上に病気になったり
途中まで順調に育っていたものが虫食いであっという間にダメになるなど
まだ完全復活したとはいえない状態だ
向こうに見える背の高いダリアなどは
枝葉は立派に茂っているが、ウドンコ病がひどく
これもチッソ過多が影響しているのだろう

それでも時の経過と共に残留肥料は植物に吸われ
こぼれ種で育ったアルゲモネも
春の苗は虫食いのボロボロになってしまったけれど
この苗はととてもきれいで元気

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こうして、2006年からほとんど無肥料で管理してきた花壇は
だんだんと良い状態になっているが
そのすぐ隣のバラが植えてある場所には、生長を気にして肥料を施しており
その結果バラも草花もハダニ被害にあっている

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ブルーガーデンでも
肥料を施した場所は
このヒャクニチソウのように背丈は立派でもウドンコ病が広がっており

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こちら無肥料のエリアは苗の大きさもちょうどよくて
病虫害も少ない

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ジニアも無肥料区(左)と施肥区(右)ではハダニのつき方が全然違う
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ピンクガーデンでは、この場所には何を植えてもあまり生育状態が良くない
それでついつい肥料をやり続けているのがかえってよくないのかもしれない

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さて、この春から新しくできた生垣花壇は
スタートした時点から無肥料エリアであり
ここまでワイン酵母発酵液を数回と、ごく少量の化成発酵肥料を一回施しただけで過ごしてきたが
相変わらず病虫害も少なくて、草花の生育も旺盛だ

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このアゲラタムなど「何をやったらこんなに大きくなるの?」と
近所の人からも言われるほどだが
肥料でそのまま大きくなったのとはちょっと違うなと思う

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無肥料栽培とは、自然栽培とも呼ばれるが
自然に任せて何もしないままでは、現実問題として植物は育たない
山の植物が肥料をもらわなくても大きく茂るのは
そうなるための自然のサイクルが出来上がっているからだ

人の手が入らない、無農薬の環境下で
落ちた葉っぱや、動物・虫の死骸を微生物が分解して養分をつくり
育った枝葉が光合成することで自ら養分を蓄え
下草の根が土を耕し
土の中の余分なものを吸い上げることで土の環境(土壌成分のバランス)を整え
そこにまた微生物が繁殖しやすくなって・・・という風に
目に見えない微生物の働きが、大きな森を作り出す軸になっているのであれば
庭に無肥料自然栽培を持ち込むにあたって欠かせないのは
常に微生物を補い、繁殖しやすい環境を作り出していくことだろう

今わたしがまいている自家製液肥は
わたしにとってはすでに肥料という概念ではなく
微生物を養う「原料」をまいているような感覚だ
だが、その「原料」も適量まいているうちは目論見どおり適正に働いても
多すぎる時点で単なる「肥料」になり
結果的には病虫害を招いているのではないかと思う

庭つくりをやっていて、一番悩ましい問題は病虫害との戦いだが
無肥料栽培でそれが克服できるならこれほど魅力的なことはない
今までの経験をもとに
これからは「原料」と「肥料」の境界線を探っていきたいと考えている



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